恋愛や結婚が幸せに直結するのか?性的マイノリティと話す場をつくってきた私がいま思うこと

恋愛や結婚は幸せに直結するのか 恋愛じゃない

30代半ばのいま、第三次結婚ブーム(そして妊娠・出産ブーム)が私のまわりを取り巻いている。ちなみに第一次は20歳前後(田舎は結婚や出産が早い)。第二次は20代後半。そして、いまである。

結婚や妊娠、そして出産の報告を受けるたびに「おめでとう〜〜!」と大きめな声で祝福する自分。そして、声に出さずに自問自答するのだ。私もいつか、結婚や出産をするんだろうか? それとも、このまま一人で生きる人生なんだろうか? 一人で生きていくよりも、誰かと生きていくほうが格段に幸せなんじゃないか、と思えてならない私は、今年(2025年)から“性的マイノリティが集まって話す場”をつくっている。

さまざまな恋愛観・結婚観・価値観に触れるうち、ずっと抱いてきた疑問に、現状、ひとまずの答えを見出すことができた。

“恋愛しない” “結婚しない”人たちと出会って

恋愛や結婚をしない人と出会って

不思議なご縁で、現在の私は、恋愛や結婚にとらわれない、広い意味でのパートナーを見つける、セクシャルマイノリティためのマッチングアプリ『フレマ』でのリアルイベント企画・運営担当を任されている。

正直に言って、私自身はセクシャルマイノリティの当事者ではないし、どちらかというと真っ当に「恋愛したい!」「結婚したい!」と思ってきたタイプだ。つまり、恋愛とは? 結婚とは? なんて根本のところはとくに考えず、一人で生きていくよりも二人で生きていけるほうが豊かで幸せだと思い込んできた人間である。

でも、フレマのリアルイベントを企画し、セクシャルマイノリティの当事者であるアプリユーザーの方たちと会って話をするなかで、恋愛関係を結ばない「友情結婚」という形を望む人がこんなにいるんだ! と大きな発見をした(朝ドラ『虎に翼』が好きだった方は、伊藤沙莉さん演じる寅ちゃんと、仲野太賀さん演じる優三さんの結婚の形がそれにあたります)。

そもそも他者に恋愛感情や性的感情を抱かない、という「アセクシャル/アロマンティック」というセクシャリティも存在する。そして、考えてみれば当たり前の話だが、そんな当事者の方たちだって、生涯のパートナーが欲しいと望んでいる。

一般的な結婚の形には疑問を覚えるし、恋愛やらスキンシップやらにも距離を置きたいけれど、だからといって「一人で生きていく」と決めてかかっているわけではない。もちろんなかには「恋愛に興味がない」「子どもを望まない」とスタンスを表明している方もいるし、その決断に至るまでには時間と労力、大きな葛藤の軌跡があったのだと想像できる。

そういった過程も含め、恋愛や結婚の“システム”について再考しながら、自分なりのパートナーシップを模索したいと考えている人が、思ったいたよりも存在するのだ。

私は、仮にこの先の人生を一人で生きていくのなら、一人で生きていくなりの幸せしか手に入れられないんだと思っていた。一人の状態で得られる幸福の総量を「10」だとしたら、生涯のパートナーを見つけて二人で生きていく場合に得られる幸福の総量は「100」。単純計算でも10倍くらいは差がつくと思い込んでいた。

でもきっと、そうじゃないのだと思う。一人か二人かの問題ではなく、パートナーの有無に限らず、まずは自分自身が「どういう自分として」生きていきたいかを見極めること。世間の基準とは違う、自分だけが味わえる幸せの種は、きっとそこからしか生まれない。

私はこの先も、イベントでさまざまな人と会い、いろいろな意見を聞きながら、迷い続けるのだと思う。一人で生きていくのか、それとも、パートナーを探すのか。どちらにしろ、誰かに選ばれることを待つより、自分で選び取ることのほうが、大きな幸せに繋がるのかもしれない。

幸せの定義を、どんどん解体していく

「誰かと生きていくほうが幸せなんじゃないか」とずっと思っていた私にとって、すでに一人で生きていくことを選んだ人たちや、自分なりのパートナーシップを模索している過程にいる人の言葉は、とても静かに、でも確かな説得力をもって響いた。

愛し合うから結婚する。結婚したから子どもを産む。そういう“順当なルート”だけが人生の正解じゃない、と気づかせてくれた。

とくに私は、一人で生きていく場合の「老後の暮らし」について、きっと人並み以上に不安を抱いていたのだ。いまでさえ決して順風満帆な生活とは言えないのに(精神的にも、経済的にも)、このまま年齢を重ねていって、自分の力で稼げなくなってしまったら……。

そんな老後の不安を払拭するためだけに、パートナーを探そうとするなんて本末転倒ではある。それでも、一人きりで生きていくよりは遥かに安心だろう、と思っていた。

一人で生きていくのなら、幸せも“それなり”であるはず。そう思っていた過去の私に、いまなら言える。一人でも十分、豊かに幸せに生きていける。それは、独りよがりな強がりではなく、自分の人生を自分で選び取ることから始まる幸せなのだ、と。

そして、恋愛や結婚という枠組みにしばられずに、自分の大切な人間関係を築いている人たちが、こんなにもたくさんいることに、私は勝手に救われている。いわば、自らどんどん“幸せの定義”を解体していくような営み。あらかじめ用意された「このルートでいけば幸せになれますよ〜!」という道筋を、丁寧に自分好みに方向転換していくような感覚だ。

「必要になったら選ぶ」くらいの気持ちで

必要になったら選ぶという感覚で

私たちはいつのまにか「恋愛することが成熟の証」「結婚することが安心の印」と教え込まれてきたのかもしれない。けれど、そのレールに乗れなかった、あるいは乗りたくなかった人たちが、“幸せではない”とは限らない。

むしろ、既存の制度や価値観に違和感を抱いたからこそ、自分自身と真剣に向き合い、自分にとっての幸せを探し続けているように見える。そういう人たちの姿こそ、私には尊く感じられるのだ。

だからこそ、私はこれからも“問い続けること”をやめたくない。

恋愛をするもしないも、結婚をするもしないも、自分で決められる社会であってほしい。そして、どんな選択にも肯定的なまなざしが注がれる世のなかであってほしい。

そのために、自分自身の人生をちゃんと“私のもの”として生きていきたい。恋愛も結婚もパートナーも、いずれ“必要になったら選ぶ”くらいの気持ちでも、きっと大丈夫なんじゃないだろうか。そう、信じながら。

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