“好き”は恋じゃなくてもいい。友情婚、推し、ソロ活から見えてきた“愛”の新しいかたち

新しい愛のカタチ 恋愛じゃない

「いま恋人いるの?」「好きな人いるの?」という何気ない問いかけは、バーやスナックで一人で飲んでいると、不意に思いもしない方角から飛んでくるものだ。女の一人客はまだまだ珍しいのか(それとも、女の一人客は全員すべからく「話しかけてほしいと思っている」と勘違いされやすいのか)、同じく一人で来ているような男性客と二人で飲む流れになることが割とあり、そして、冒頭の問いかけをされる。

そのたびに、思うのだ。やっぱり恋愛って、してなきゃいけないのか? 恋人はいなくとも、好きな人くらいはいたほうがいいのか? 「恋じゃない“好き”」っていう感情も、あっていいんじゃないだろうか。

友情婚で見た、“共に生きる”愛のかたち

友情婚は共に生きる愛のカタチ

私は現在、性的マイノリティの方々が、恋愛や結婚にとらわれないパートナーシップを構築するためのマッチングアプリ『フレマ』にて、月一でリアルイベントを開催している。アプリを通してメッセージを交換し、一対一で相手に会うのもアリだけど、トークテーマや企画を設けたイベントがあれば、より多くの人と交流できる。

とある回では、実際に友情婚をしたカップル一組をゲストとしてご招待し、実際のところどんな暮らしをしているのか? 友情婚のメリットや、反対に困ったことはないのか? といった、赤裸々な面を話してもらった。

おそらくだけど、ほとんどの人が「友情婚」と聞いて、なんぞや? と疑問に思うだろう。恋愛感情や性的スキンシップのない夫婦関係。想像できそうで、でもやっぱり具体的なイメージがわかない。正直私も、当の二人の話を聞くまでは「それって異性の友達とルームシェアしてるのと何が違うんだろう?」と思ってしまっていた。

それでも、存在するのだ。恋愛感情や性的スキンシップがないからこそ築ける、誠実で信頼に満ちた関係性、というものが。二人の間にあるのは愛ではなく、いや、二人なりの愛はしっかり介在しているのだけど、わかりやすく「愛し合っている」のではなく「いたわり合っている」「助け合っている」「並走している」と言ったほうがしっくりくるような関係性なのである。そしてそれも、確かな“愛”なのだ、と穏やかな二人を見ていたら自然と思えたのだ。

きっと、既存の「恋愛」や「結婚」の形に疑問を覚えてしまう方にとって、この「友情婚」は一つの新しい愛の形であり、現実にも取り得る魅力的な選択肢の一つになりつつある。

推し活という、自己肯定感を育てる愛

昨今よく聞くようになった「推し活」だって、新しい愛の形と言える。

実際に私は、推しの存在に何度も救われてきた。たとえば、落ち込んだときに偶然観たドラマの主人公が、妙に自分と似ていて、そのキャラクターを演じる俳優さんを好きになったとき。あるいは、好きな作家のエッセイを読んで「こんなふうに、自分の言葉で世界と向き合える人がいるんだ」と、背中を押されたとき。

推し活とは、ある意味で“片思い”だ。でも、その片思いが、こんなにも自分を支えてくれるなんて、思ってもいなかった。「推しが今日も元気でいてくれる」というだけで、世界が少しやさしく見える。推しを通して、自分という存在にも「よくここまで頑張ってきたね」と言ってあげたくなる。そんなふうにして、推し活は私のなかで、いつのまにか自己肯定感を育てるための“愛”になっていた。

恋愛感情とは少し違うかもしれないけれど、自分ではない「他者を好きになる営み」そのものが喜びを連れてきてくれることもある。片思いでも、すれ違っていても、ときに報われなくても、それらすべてひっくるめて豊かな感情であることに変わりはない。

ソロ活が教えてくれた、自分の愛し方

自分の愛し方

「推し活」と同じくらいに市民権を得ている言葉が「ソロ活」ではないだろうか。最近は、俳優の江口のりこさん演じる早乙女恵がソロ活を楽しむドラマ『ソロ活女子のススメ』シリーズの放送もあって、女性一人でもさまざまな場所で自分なりの時間を楽しく過ごしている。

私も最初は「一人で行動するの、なんとなく気まずいかな」と思っていた。けれど、気づけば私は、ひとり映画、ひとり美術館、ひとり温泉、そしてひとり旅まで楽しめるようになっていた。そこで得られたのは、誰かから与えられるものではなく、自分自身の内側から湧き上がる満足感、充足感だった。

自分が何を好きで、何が苦手で、どんな時間が一番心地いいのか。ソロ活を重ねるなかで、私は少しずつ、自分との向き合い方を覚えていった。ひとりでいる時間は、孤独じゃない。むしろ、自分を大切にするための静かな時間であり、これは私にとって、確かに“自分への愛”だったのだと思う。

友情婚という選択肢、推し活という喜び、ソロ活という静かな満足。どれも恋愛とは少し違うけれど、それぞれのかたちで私を支えてくれている。そして何より、私自身が「こういうのも愛じゃない?」と思えることが、いまの私にはとても大事だ。

もしかしたら、誰かと恋に落ちる日も来るかもしれない。誰かと暮らしたくなる日も、またあるかもしれない。でも、そのとき私は、きっと「愛ってこういうものでしょ?」と誰かに押しつけられた形ではなく、自分のなかでしっくりくる愛を選びたいと思っている。

愛はもっと自由でいい。好き、のかたちは、もっと多様であっていい。そう思えるようになったいまの私は、たぶん、昔よりずっと心が穏やかだ。

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