最初に、私自身のことを少し話させてください。
私は、いわゆるノンセクシャルにあたる人間です。
誰かと過ごす時間は好きです。
会話も、食事も、並んで歩くことも。
けれど、デートの終わりが必ずベッドに向かう流れになると、急に息が詰まってしまいます。
それをうまく説明できないまま、「大人なんだから」「付き合っているんだから」と言われ続けてきました。
楽しさのはずだった時間が、いつの間にか緊張と我慢に変わっていたのです。
デートの目的を言葉にする(楽しさ・安心・対話)
多くのデートには、暗黙のゴールがあります。
楽しく過ごすこと。
距離を縮めること。
そして、身体的な親密さへ進むこと。
でも、その前提が合わない人もいます。
私にとってのデートの目的は、楽しさや安心、対話でした。
一緒に笑えたか。
沈黙が苦しくなかったか。
自分を偽らずにいられたか。
これを言葉にするまで、時間がかかりました。
言わなくても伝わると思っていたし、言えば壊れる気がしていたからです。
けれど、目的を共有しないまま会うほうが、関係を壊しやすいと気づきました。
終電で帰る設計と満足度の共有

「今日は終電で帰る」と決めることに、以前は罪悪感がありました。
期待を裏切っているような気がしていたのです。
でも、終点を決めておくことで、安心して過ごせる時間もあります。
終電までの数時間を、ちゃんと味わう。
帰り道に「今日は楽しかったね」と言える余白を残す。
私は、帰ったあとに満足度を言葉にするようになりました。
楽しかった点。
心地よかった距離感。
また会いたいと思えた理由。
ベッドに行かなかった日でも、満足は確かにありました。
それを自分で認められるようになったことが、大きな変化でした。
ゴールを揃えられない時の選択肢を検討する
どれだけ丁寧に話しても、ゴールを揃えられない相手はいます。
どちらが悪いわけでもありません。
そのときに必要なのは、我慢ではなく選択です。
自分を削って続けるのか。
関係の形を変えるのか。
距離を取るのか。
私は、無理に合わせ続けた結果、自分の感覚が分からなくなった経験があります。
だから今は、「合わない」を早めに認めるようにしています。
それは冷たさではなく、誠実さだと思っています。
同意を中心にした関係へ切り替える

同意は、性的な場面だけの話ではありません。
会う頻度。
触れ方。
距離感。
すべてに同意は必要です。
「断られなかったからOK」ではなく、
「選び合っている」という感覚を持てるかどうか。
私は、同意を中心にした関係に切り替えてから、デートが怖くなくなりました。
期待に応える場ではなく、共有する時間になったからです。
デートのゴールは、人それぞれです。
ベッドでなくてもいい。
終電でもいい。
安心して帰れる夜も、立派な成功です。
もし今、デートが苦しいと感じているなら。
ゴール設定を、少し変えてみてください。
あなたが楽に呼吸できる場所に、終点を置いていいのです。






