下ネタで笑えない日がある。輪に入れない自分を責めないために

下ネタで笑えない日がある。輪に入れない自分を責めないために 性行為しない

飲み会やランチの雑談で、ふいに性の話題や下ネタが始まる瞬間があります。
笑って流せる日もあるかもしれません。けれど、どうしても笑えない日もありますよね。

私は、性的な話題には距離を置きたいタイプです。
人を好きになる気持ちはあるのに、性の話や性的なノリに混ざると、心と身体がざわざわして固まってしまいます。自分はノンセクシュアル寄りなのだろうな、と感じています。

そんな自分を分かっていても、「場の空気を壊したくない」「引かれたくない」という気持ちが先に出てしまうと、つい作り笑いでやり過ごしてしまいます。
そのあと一人になってから、「どうして笑ってしまったんだろう」「輪に入れない自分が悪いのかな」と、自分を責めてしまうこともありました。

ここからは、「笑えない自分」を守る視点や、場から離れるサイン、性の話題を避けても続く関係の育て方を、一緒に見直してみませんか。

笑えない自分を責めない視点に戻る

笑えない自分を責めない視点に戻る

まず、笑えない自分を「おかしい」と決めつけないことが大切です。
性の話題に対する反応は、その人の経験や体質、境界線によって大きく変わります。

過去のつらい経験を思い出してしまう人もいます。
もともと身体に触れられることが苦手な人もいます。
ただ単に、そういう話のテンションが合わない人もいます。

どれも「変わっているから」ではありません。
自分の心と身体が、「ここは安全じゃないかも」「これ以上はしんどいかも」と教えてくれているサインです。

「みんな笑っているのに、自分だけ笑えない」と感じるとき、人はつい少数派である自分を責めてしまいます。
でも、本当に守りたいのは「みんなと同じように笑う自分」ではなく、「しんどいときに無理をしない自分」ではないでしょうか。

笑えない日があるのは、弱さではありません。
自分を守る感覚がちゃんと働いている証拠だと、そっと視点を戻してみてください。

参加/離脱のサインを先に決める

とはいえ、その場で固まってしまうと「どう振る舞えばいいか」が分からなくなります。
そこでおすすめなのが、あらかじめ「参加のサイン」と「離脱のサイン」を自分の中で決めておくことです。

例えば、まだ心に余裕があるときの参加サインなら、

  • 軽く微笑んで聞き役にまわる
  • 話題の中でも、自分が触れても平気な範囲だけに相づちを打つ

などが考えられます。それ以上踏み込まないと決めておくだけでも、少し楽になるかもしれません。

反対に、「もうしんどいかも」と感じたときの離脱サインは、

  • グラスを片手に「飲み物取ってくるね」と席を立つ
  • 「ちょっと電話してくる」と一度席を離れる
  • 「ごめん、その話題あまり得意じゃなくて」と短く伝えて、別の話に変えてもらう

などがあります。

ポイントは、「その場を完璧にコントロールしようとしない」ことです。

場全体を止める必要はありません。
自分だけ、一歩下がったり、少しの間そこから離れたりしていいのです。

心臓がドキッとしたとき、呼吸が浅くなったとき、「あ、離脱サインを出すタイミングだな」と気づけるようにしておく。
それだけでも、「次に同じ場面になったらどうしよう」という不安が、少し軽くなります。

性話題を避ける関係の育て方

どんなにサインを決めても「この人の前では頑張らなくていい」と思える相手が一人もいないと、日常がとても息苦しくなってしまいます。

私自身、「性の話題になると、身体が固まってしまうんだ」と打ち明けたことがあります。
勇気がいりましたが、正直に話した相手の中には、

  • 「そうなんだね。じゃあその話題はやめようか」とすぐ引いてくれる人
  • 「教えてくれてありがとう」と、境界線を尊重してくれる人

もいました。

反対に、

  • 「えー、そんなの気にしすぎだって」
  • 「大人なんだから、そのくらい笑おうよ」

と茶化す人もいました。
そのとき、「あ、ここは無理しないといられない場所なんだな」と分かりました。

性の話題を避けたい自分を責めるのではなく、
その境界線を尊重してくれる人と、そうでない人を見分ける材料にしてもいいのだと思います。

すべての人に理解されなくても構いません。「性の話題を出さなくても続く関係」がひとつでも育てば、それは、とても大きな安心になります。

小さな安心の輪をつくる

小さな安心の輪をつくる

大勢の前で、いつも「強い自分」でいる必要はありません。
下ネタで盛り上がる輪から、一歩下がって眺める自分がいてもいいし、そこにまったく近づかない自分がいてもかまいません。

大切なのは、自分が息をしやすい「小さな輪」をつくることです。

性の話題が出ない友人とのランチ。
価値観の近い相手とのメッセージのやりとり。
安心して弱音をこぼせる、パートナーや仲間。

その輪は、2人でも3人でも十分です。
「ここなら、笑えない日があっても大丈夫」と思える場所が、ひとつでも増えれば、それだけで世界の見え方が変わってきます。

もし今、「下ネタで笑えない自分」を責めてしまいそうなときは、今日のうちにひとつだけ試してみてください。

  • 参加サインと離脱サインを、紙やスマホにメモしてみる
  • 安心して話せそうな人の名前を、ひとりだけ書き出してみる

その小さな一歩は、「笑えない自分」を守るための土台になります。
笑えない日があるあなたも、そのままでもおかしくありません。
あなたのペースで、あなたの輪を選んでいいのだと、何度でも自分に言い聞かせてあげてください。

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