恋愛感情がない。性的欲求もない。結婚したいとも思わない。
ただそれだけのことなのに、なぜか人生が複雑になるような感覚を持ったことはありませんか?
誰かを否定しているわけでも、強い主張をしたいわけでもない。ただ「そう思わないだけ」なのに、驚かれたり心配されたり、ときには説得されたりすることがあったかもしれません。
でも実は、あなたが感じてきたそのモヤモヤは、決して一人だけのものではないのです。
説明できない感覚を説明させられる
「どうして恋愛しないの?」「何かきっかけがあったの?」
こうした質問に、うまく答えられず困った経験がある人もいるはず。
恋愛感情や性的欲求、結婚願望がない人の多くは、「理由」がありません。
傷ついた過去があるわけでも、思想として拒否しているわけでもない。ただ、最初からその感情がなかった。それだけです。
けれど世間では、「ない」状態は異常、「ある」状態が標準とされがち。だからこそ、理由を求められ、理由がなければ納得してもらえない。
結果として、説明できないものを説明し続けることになります。
自分でもよく分からない感覚を、分かりやすい言葉に変換する作業。それ自体が、大きな疲れやストレスにつながることもあるでしょう。
恋愛トークに参加できないと空気が止まる

職場、飲み会、友人との集まり。話題が恋愛になると、急に自分の番が回ってこない。あるいは回ってきても、「今は特にないです」の一言、たった数秒で終わる。
こうした経験をした人も少なくないはずです。
恋愛感情や性的欲求がない人にとって、恋愛トークを聞くことはできても、その感情を理解することは難しい。そして、自分の話としては何も出てこない。
それなのに、「何も話さない=何か隠している」「興味がない=冷たい」と受け取られてしまうこともあります。
本当はただ、話す材料がないだけ。そこに悪意も拒絶もないのに、場の空気が微妙になる。そこに居心地の悪さを感じる人も多いはずです。
「まだ分かってないだけ」と言われがち
恋愛感情や性的欲求、結婚願望がないと話すと、
「そのうち分かるよ」
「運命の人に出会ってないだけ」
など、あたかも今の自分が不完全かのような返答がくることがあります。
今の気持ちは仮の状態で、いつか変わるものだと決めつけられる。その言葉は一見やさしそうで、実は今の自分を認めてくれていません。
もちろん、人の気持ちは変わることもあります。でも、変わるかどうかは問題ではなく、今そう感じているという事実が、軽く扱われることがつらいのです。
自分の感覚を自分で信じきれなくなる。「本当にこのままでいいのかな」と、不安を植えつけられてしまう。それもまた、恋愛や結婚に興味がない人の多くが経験するあるあるといえます。
恋愛や結婚が前提に話が進む
「結婚したらさ」「パートナーがいれば」「子どもができたら」
こうした言葉や話題は、あたかも恋愛や結婚をするのが前提になっています。このとき、自分の立ち位置がどこにも用意されていないと感じることがあるかもしれません。
悪意があるわけではないと分かっているからこそ、「自分は当てはまらない」と口に出すこともできず、ただ黙って聞いてしまう。
その結果、話には参加しているのに、どこか置いていかれているような感覚になることもあるでしょう。
恋愛や結婚を望まないだけで、人生の話題から外れてしまうような空気。その小さな疎外感が積み重なって、「自分の生き方はここには存在しないのかもしれない」と感じてしまう人も少なくありません。
「困りごと=一人で生きること」ではないのに
恋愛や結婚をしないと、「将来困るよ」とよく言われます。
でも実際に困っているのは、生活そのものではない場合が多いのではないでしょうか。
一人の時間は落ち着くし、自分のペースで暮らせている。仕事や趣味、人との関係も、それなりに成り立っている。
それでも困るのは、「一人=不幸」「パートナーがいない=不完全」という前提で見られることです。
まだ起きていない老後の話をされ、まだ困っていないことで心配される。そのたびに、「この生き方はダメなのかな」と考えさせられる。
でも本当は、あなたの生活が成立しているなら、それはすでに十分現実的で、現実的だからこそ自分で選んだ生き方のはずです。
自分のペース、自分で選んだ道に自信を持つこと

恋愛感情がない。性的欲求がない。結婚願望がない。
それは欠けていることではなく、ただの個性。自分にとっての幸せが何かを考え、選び、生きてきたはずです。
世間一般の価値観に当てはまらないからといって、あなたの人生が薄いわけでも、不完全なわけでもない。
だけど、世間一般の価値観によって惑わされ、不安になり、生活のなかで困る場面があるかもしれません。
ただ、世間一般の価値観にあわせる必要はない。「ない」という状態を、無理に「ある」側に寄せなくていい。そのままの感覚で生きていいのです。
あなたの人生は、あなただけのもの。みんなの幸せがあなたにとっての幸せとは限りません。あなただけの幸せのカタチを見つけていきましょう。








