「夜集合って、なんだかこわい」
そんなふうに感じてしまう私は、やっぱり変なんでしょうか。
友達が「彼氏と夜ごはん行くんだ」と話すたびに、胸の奥がザワザワしました。
羨ましいとか、嫉妬とか、そういう気持ちじゃない。
むしろ、恋人と夜に会うのって、どうしてそんなに特別扱いされるんだろう?
少なくとも私は、そう思ってしまうのです。
だって、“付き合う”とか“好き”って言葉の先に、どうしても“そういう関係”がくっついてくる気がして。
もし相手が期待していたら、もし応えられなかったら、って考えると、もう最初から距離を置きたくなってしまう。
それって、恋愛をするうえでは普通じゃないのかもしれない。
でも今は、そんなふうに感じてしまう自分を、もう否定したくないと思っています。
もしかしたら、こんな感覚を持っているのは、私だけじゃないのかもしれません。
恋人と過ごす時間が夜になると、どうしてこんなに構えてしまうんだろう。なんでみんなと同じように、心から“楽しみ”と思えないんだろう。
今日は、そんな気持ちを言葉にしてみようと思います。

夜デートがお泊まりを連想させる理由
「夜のデート=お泊まり?」 そんな方程式、どこかにある気がしませんか。
映画を観て、ごはんを食べて、夜景を見たあとに「このまま…」と誘われる——。 そんな流れを、雑誌でもSNSでも、まるで当たり前みたいに目にするからかもしれません。
でも私にとって“夜”は、ふたりきりの空間が濃くなるぶん、相手の期待を勝手に想像してしまう時間でもありました。
「帰れなかったらどうしよう」 「そういう空気になったら?」
そんな不安が先に立って、気がつけば夜の誘いは、断ることが増えていたんです。

ワクワクと警戒心の狭間で揺れる“なんとなく”の本音
もちろん、誰かと夜に出かけること自体は、ワクワクする気持ちもありました。
おしゃれなレストラン、ライトアップされた街並み、特別な“夜”の空気。
だからこそ「楽しみたい」って気持ちと「警戒しなきゃ」って気持ちが、ずっとせめぎ合っていたんだと思います。
夜に会うと決まったときの、あの微妙な心のざわつき。
相手が好きとか、嫌いとか、そういう話ではなくて「なんとなくイヤだな」とか「大丈夫かな?」と、言葉にならない感覚が私の中には確かにありました。
それを無理に飲み込んでしまうと、会ったときに自然に笑えなかったり、帰ってからもどっと疲れてしまったりすることがあって「これって、私だけ?」と悩んだ時期もあります。
相手を疑っているわけではなくても、夜に会うことで心がピリつく。その“なんとなく”の違和感を、もっと大事にしてもいいんだと気づいたのは、だいぶ後のことでした。
相手を信用したい気持ちと、自分を守りたい気持ちのあいだで揺れるのは、決して私だけじゃないはずです。
“楽しみたい”と“私はこうしたい”を大切にする

あるとき、ふと思ったんです。
“私、もっと気楽に楽しんでいいんじゃない?”
夜のデート=何かを期待されるっていう思い込みが、いつの間にか自分の中に深く根を張っていたことに気づきました。
「今日は〇時には帰るね」 と最初からそう伝えても、相手は意外と「うん、わかったよ」とあっさり受け止めてくれたんです。
それだけで、夜の時間に少しだけ自由を感じられた気がしました。
夜のデートだからといって、相手の期待に合わせなきゃいけないなんてことはない。
当たり前のことなのに、それを心から実感できるようになるまで、私はすごく時間がかかりました。
でも、ひとつだけ確信を持てたのは、
「私はこうしたい」「今日はこれぐらいで帰りたい」
そうやって自分の気持ちを伝えたほうが、ずっとラクになれる、ということです。
相手の反応がこわかったのは、伝える前の自分だったんだと、今なら思います。
相手もまた、自分の気持ちを尊重してほしいと思っているかもしれないし、
実は相手だって「無理してほしくない」と考えていることもあるかもしれない。
だからこそ、素直に伝え合える関係でいたいなと思うようになったんです。
終電で帰る関係を選んだ私たちの満足度
それから私たちは、“夜に会うなら終電で帰る”ルールをふたりのあいだで決めるようになりました。
特に理由を説明しなくても「じゃあ、〇時に帰ろうか」
そう言い合える関係が、私には心地よかったんです。
“お泊まりしないと距離が縮まらない” そんな思い込みから解放されたとき、一緒にいる時間の質がぐっと濃くなった気がします。
恋愛やパートナーシップに、決まった形なんてなくていい。
自分が心から楽しめる形を、ひとつひとつ選んでいけばいい。
今は、そんなふうに思えるようになりました。
自分にとって“ちょうどいい距離感”を選ぶ勇気

夜集合のデートに限らず、恋愛においても人間関係においても、
「自分が心地よくいられる距離感」を選ぶことって、すごく大切なんだと思います。
周りの価値観に合わせたり、常識とされているものに縛られたりすると、
どこかで無理を重ねてしまうことがある。
だからこそ、私たちはもっと、自分の気持ちに素直でいい。
“こうしたい”を大切にできる関係こそ、きっと長く心地よく続くものだと思うんです。
夜集合のデートが怖いと思うあなたが、もしここにいたら——。
その気持ちは、きっとあなただけのものではないと思います。
一緒に、心地よい距離感を探していけたらいいですね。