恋愛や性行為が“できない”と感じるあなたへ。アセクシャルという在り方が教えてくれること

恋愛や性行為が“できない”と感じるあなたへ。アセクシャルという在り方が教えてくれること 性行為しない

「恋愛をして結婚する」

「パートナーと性行為をするのが普通」

そんな言葉を、これまで何度聞いてきたでしょうか。

周囲が当たり前のように語る未来図に、なぜか心が追いつかない。性行為に関心を持てない、あるいはできない自分はおかしいのではないか。

そうやって自分を責めてしまうこともあったかもしれません。

でも、その違和感は決して“異常”ではありません。

世の中には、性に対する感じ方が多様であることを示す言葉があります。そのひとつが「アセクシャル」です。

恋愛や性行為が「当たり前」とされる息苦しさ

学校、ドラマ、広告、家族の会話。あらゆる場面で、恋愛は「誰もが求めるもの」として描かれがちです。

好きな人ができるのが自然、性行為を望むのが普通、結婚して家庭を持つのが幸せ。そんな前提が、無意識のうちに刷り込まれていきます。

そのなかで、「自分は違うかもしれない」と感じる人は、なんだか置いていかれたような孤独を抱えがち。

友人の恋バナにうまく入れない、パートナーからの期待に応えられない、結婚の話題になると胸がざわつく。

周囲に悪気がないからこそ、苦しさを言葉にできず、

「我慢が足りないのでは」

「まだ本気の恋をしていないだけでは」

と自分に原因を探してしまう。

けれど、その息苦しさはあなたの弱さではありません。ひとつの価値観が強く共有されている社会で、別の感じ方をしている人が生きづらさを覚えるのは、むしろ自然なことなのです。

アセクシャルとは何か、誤解されやすいポイント

アセクシャルとは、他者に対して性的欲求や恋愛感情を抱かないセクシャリティのこと。

治すべき欠陥ではなく、あくまでもその人の性質のひとつです。左利きが右利きと違うように、感じ方の違いとして存在しています。

「性行為が嫌い」「経験がない」という単純な話ではありません。

アセクシャルであっても、

「告白されたから付き合ってみた」

「パートナーを傷つけたくないから応えた」

など、誰かをパートナーとしたり、性行為をしたりした経験がある人もいるでしょう。

ただ、アセクシャルという言葉を知ることで、「説明がつかない違和感」に輪郭が生まれる人もいるはず。それは、自分を否定するためではなく、理解するための道具といえます。

また、アセクシャルで結婚を望む人がいればそうでない人もいる。アセクシャルもひとくくりにできるわけではありません。

恋愛や結婚にいろんなカタチがあるように、アセクシャルにもいろんな人がいるのです。

「できない」のではなく「そう感じない」だけ

「できない」のではなく「そう感じない」だけ

性行為ができない自分は未熟だ、努力が足りない。そう考えてしまう人は少なくありません。でも、「できない」という表現自体が、あなたを縛ってしまうことがあります。

恋愛感情や性的欲求は、気合いや根性で生み出せるものではありません。

空腹を感じない人に「もっとお腹を空かせなさい」と言っても無理があるように、感じないものを感じろと言われても苦しくなるだけ。

あなたが冷たいわけでも、誰かを大切にできないわけでもありません。人との距離感や親密さを、別のカタチで築いていく力を持っているだけです。

自分の感覚を「不足」として扱うのではなく、「特性」としてとらえ直すこと。その視点の転換が、心を少し軽くしてくれるのではないでしょうか。

自分のペースで関係を築いていい

恋愛や結婚のカタチはひとつではありません。

ましてや、恋愛感情や性行為の有無が関係の深さを決めるわけでもない。頭では分かっていても、現実では周囲の期待が重くのしかかることがあるかもしれません。

大切なのは、自分のペースを尊重すること。

パートナーがいるなら、正直に話し合う時間を持ってもいい。言葉にするのが難しければ、文章や記事を共有する方法もあります。

理解されない可能性を恐れる気持ちも自然ですが、あなたの感覚を無視した関係は、あなたを苦しくさせるかもしれません。

また、恋愛や結婚を選ばない人生も、ひとつの選択肢。仕事、友情、趣味、ひとりの時間。そこに優劣はありません。「選ばない」という選択も、主体的な生き方なのです。

周囲と同じスピードで走らなくていい。あなたには、あなたの道があります。

これまで抱えてきた違和感ごと、あなたです

これまで抱えてきた違和感ごと、あなたです

恋愛や性行為が当たり前だとされる価値観に、何度も感じてきた違和感。それは、あなたが劣っているからでも、どこかおかしいからでもありません。

周囲と同じ感覚を持てない自分を責めたり、無理にあわせようとしたこともあったかもしれませんが、その違和感はあなたが自分の感覚を大切にしながら生きてきた証でもあります。

アセクシャルという言葉は、人を変えるためのものではなく、これまで言葉にできなかった感覚に、そっと名前を与えるもの。

名前があってもなくても、これまで抱えてきた違和感も含めて、あなたです。

誰かの基準に合わせなくても、あなたのペースで、あなたのまま生きていていいのです。

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