恋愛感情や性的欲求を持たないつながりは、本当のつながりでないなんて、誰が決めたんでしょうか。
恋愛感情がわからない…
人に性的欲求を抱かない…
このような人たちは、本当のつながりを持つことは不可能なのでしょうか。
本当のつながりは、恋愛感情や性的欲求によるつながりだけじゃない。本当のつながりとはなにか、一緒に考えていきましょう。
本当のつながりってなに?
恋愛感情や性的欲求を持たない相手とのつながりは、本当のつながりではないのでしょうか。ここで「本当のつながり」がなにかについて考えてみましょう。
たとえば、恋愛中の2人がなんらかの理由で長期間会えない。でも、心はつながっているように感じる。これは、2人のあいだに本当のつながりがあるといえるでしょう。
では、友情結婚した人たちはどうでしょうか。友情結婚とは、夫婦間で肉体関係を持たない結婚のカタチ。互いに対する恋愛感情や性的欲求を持たないものの、相手を思いやる愛情や信頼関係のもとでつながっている。これも本当のつながりといえるのではないでしょうか。
このように、恋愛感情や性的欲求を持たなくても、人と本当のつながりを持つことはできるはずです。本当のつながりがどのような意味を持つのか、なにを基準に本当のつながりととらえるのかは、人それぞれ違うことを忘れてはいけません。
家族や友達はどうなる?
恋愛感情や性的欲求によって人と本当につながれるのであれば、家族や友達はどうでしょうか。親や兄弟、幼馴染や親友。これまで築いてきた関係性は、本当のつながりといえるでしょう。
血縁や付き合いの長さに関係なく、お互いを信頼したり理解したり…そういったことで絆が強固になっていき、本当のつながりができてくる。このように、本当のつながりは恋愛感情や性的欲求だけでなく、信頼・理解・尊敬・安心感など、さまざまな感情のもとで成立しているのです。
恋愛至上主義社会がそう思わせる

日本には「恋愛至上主義的」な考え方が強く根付いている気がします。
だからこそ、恋愛感情や性的欲求を持たないつながりは、本当のつながりではないのかも…?という不安がよぎるのでしょう。
「恋は誰もが通る道」「恋愛して結婚して子どもを持つことが幸せ」といった世間一般でいう普通。このいわゆる普通の考え方が派生して、人と深くつながるには恋愛感情や性的欲求が必須だなんて思ってしまうのです。
「こうあるべき」ではなく「こうありたい」という気持ちを大切にしましょう。
恋愛感情は3年という期限付き
人が恋愛をするときの「ドキドキ」「きゅんきゅん」みたいな感情は、ドーパミンと呼ばれるホルモンが分泌されることによって湧き上がるといわれています。そして、このドーパミンは、同じ相手と過ごして3年ほどで分泌されなくなるらしい。
つまり、ドーパミンによって相手のことを愛し、そのときは本当のつながりだと感じていても、3年くらい経った頃には相手に対する好きという感情がわからなくなることがあるのです。
では、3年という期限付きの恋愛感情は「本当のつながり」を持つのに必要なのでしょうか。そして、恋愛感情でのつながりすべてが果たして本当のつながりといえるのでしょうか。
ドーパミンよりオキシトシン?

勘違いしてほしくないのは、「ドーパミンがなくなる=愛がなくなる」ではないこと。ドーパミンが分泌されなくなっても、次第にオキシトシンが分泌され、別のカタチで相手への愛情が続くこともあります。
オキシトシンは、心や身体が心地よさや安心感を得られたときに分泌するもの。オキシトシンが分泌されると不安な気持ちが和らぐという効果があるようです。
そして、ドーパミンとの大きな違いは、オキシトシンには期限がないこと。オキシトシンが分泌される具体的な場面を挙げると、親しい人と話す、これだけでもオキシトシンは分泌されます。つまり、親しい人と定期的に話す時間を作ることで、持続的に幸せホルモンを分泌し、安らぐ気持ちを得られる。ということは、本当のつながりにはドーパミンよりオキシトシンに注目したほうがよさそう…
本当のつながり=あなたの人生に必要なつながり
恋愛感情や性的欲求がなくても、人と本当のつながりを持つことはできます。
ただ、本当のつながりと呼ぶ基準は人によって違うのです。恋愛感情によって相手を思う気持ちが本当のつながりだと感じる人がいれば、恋愛感情や性的欲求がなくてもある人と一緒に過ごすことで得られる安心感が本当のつながりだと感じる人がいる。
だから、本当のつながりがなにかを考えるときは、恋愛感情や性的欲求に縛られず、あなたの人生にとって必要なつながりがなにかを考えてみてください。