「産まない人生」は寂しい?30代半ば、友人たちの妊娠ラッシュに思うこと

産まない人生は寂しい? 子供を持たない

30代半ばになったあたりから、友人たちとの会話の内容、定期的な近況報告における雰囲気が一気に変わったのを感じた。

インスタのタイムラインやLINEのトークルームに並ぶのは、マタニティフォトやエコー写真、出産後の赤ちゃんの小さな手の写真などなど。「ご報告」と【】で囲われた表題を目にするたびに、心のなかで「おめでとう」とつぶやきながら、どうコメントすれば穏便に済むか必死で考えている自分がいる。

もちろん、お祝いの気持ちは本物なのだ。彼女たちが大切なパートナーと築いた家庭に、新しい命が加わることは、素直にうれしい。だけど、その知らせを受け取った瞬間、自分の胸の奥に小さな波紋が広がることも少なくない。

「私も、本当は不安なのかな?」

そんなふうに立ち止まってしまうのは、きっと同じ経験をした人ならわかるはずだ。

「産まない人生=寂しい」という刷り込み

かつては同じように独身で、平日夜に気分が乗れば誘い合って飲みに行き、週末には旅行やライブに出かけていた友人たちが、ある日を境に「親」「母」になっていく。

生活のリズムは、当然変わる。話題の中心は育児や保育園、あとはマイホームのローンのこと。私が最近観た映画や一人で行った地方の話をしても、どこか遠い世界の出来事のように受け取られる。一人は自由、独身を謳歌している、豊かな“残り時間”を満喫している……被害妄想だけれど、そんな風に捉えられている気がして、わかりやすく肩が縮こまってしまう。

悪気がないのはわかっている。それに、既婚と独身で、お互いの立ち位置や見える世界が変わるのは自然なことだ。それでも、どこかに置いていかれるような、本能的な不安は消えない。「このままでいいのかな」「私も結婚くらいしたほうが……」という小さな揺らぎが、心のどこかで芽を出す。

「子どもはまだ?」

「孫の顔が見たいなあ」

家族や親戚からの“何気ない”ひと言に、胸がざわつく。同じく独身の知り合いから、軽い調子で「うちらは子どもいないから、気楽でいいよね」と言われ、笑顔で受け流したけれど、帰り道に妙な後味が残ったこともある。

気づけば、私たちは長い時間をかけて「子どもがいてこそ幸せ」という価値観を刷り込まれてきたように思う。テレビドラマや広告だって、結婚して子どもを育てることを“自然な人生の流れ”として描いてきたじゃないか。そこから外れる選択は「何か事情があって仕方なく」だと思われがちだ。

本当は、そうじゃない。だけど、その空気のなかで暮らしていると、自分でも無意識に「このままでいいのかな」と不安を抱えてしまう。

「子どもがいない人生」にある豊かさを見つける

子供がいない人生の豊かさを

私の場合、子どもを持たない理由はひとつではない。

体力や健康面の不安、経済的な現実、そして何よりも、自分が本当に子どもを望んでいるかどうかが曖昧だった。いや、はっきりと、欲しいと思ったことがない、と言ってしまったほうが楽になれるかもしれない。

世間では「産めるうちに産んだほうがいい」とよく言われる。でも、それは「産みたい人」にとっての正解だ。私が大切にしたいのは、子どもを持つかどうかよりも、どんな日々を送りたいか、どんな時間を積み重ねたいか、ということだった。

周囲の価値観や期待に流されるのではなく、自分のなかで納得のいく理由を持って選びたい。はっきりとそう感じた瞬間から、「産まない」という選択が、少しずつ私のなかで肯定されていった。

結婚しない人生だって、子どもを持たない人生だって、誰にとって代わられることのない、私だけの豊かな人生じゃないか。

子どもを持たないと決めたからこそ、手に入れられる豊かさだってある。休日は思い立ったらすぐに出かけられる自由さ。長期休暇に海外へ行くこともできるし、平日の夜に急に舞台のチケットを取って観に行くこともできる。

お金の使い方も、自分の意思で決められる。自己投資として学び直しをしたり、新しい趣味に挑戦したり。血縁以外の「家族」(友情結婚のパートナーや、長年の友人たち)と深い絆を築くことだってできる。

「子どもがいない人生=孤独」というのは、あまりに単純化された見方だ。実際には、自分らしいつながりを選び取りながら、充実した日々を送る方法はいくらでもある。

寂しさは“子どもの有無”では決まらない

寂しさは子供の有無で決まらない

もちろん、子どもを持つ友人たちとの距離感には気をつけるようになった。

忙しい時期に何度も誘うのは控えるようになったし、話題もお互いが楽しめるものを意識して選ぶ。ときには、育児の話を聞く「聞き役」に徹することもある。

ライフステージの違いは、避けようのない現実だ。それでも、お互いを尊重する気持ちさえあれば、つながりを維持することはできる。むしろ、違いがあるからこそ新鮮な刺激をもらえる関係もあると感じている。

結局のところ、寂しさや孤独感は、子どもがいるかいないかで決まるものではない。

たとえ子どもがいても、関係が希薄だったり、心が通わなければ孤独を感じたりすることだってあるだろう。反対に、子どもがいなくても、信頼できる人とのつながりや、自分自身との健やかな関係があれば、満たされる時間を送ることはできる。

「産まない人生」は、社会の基準ではマイノリティかもしれない。でも、自分で選び取り、その選択に納得しているなら、それは誇れる生き方だと思う。

友人たちの妊娠ラッシュのなかで、私は少し立ち止まり、自分の人生を見直すきっかけをもらった。これからも、「どう生きたいか」を自分に問い続けながら歩んでいきたい。

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